バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)です。
突然ですが、私はなぜ「バーチャルブロガー」になったのか。
その経緯と、VRを通して活躍したい思いをエッセイ形式でつづります。
私は元々「何者になりたい」という変身願望があった。
VRに触れる前は2013年から7年の間、同人をやっていて、主にスポーツチーム擬人化が登場する色んな出来事の漫画を描き、イベントなどで伝聞する目的で活動しました。
しかし、周りの評価に囚われてしまい、思い通りに漫画を描く気力を無くしていた。いくらやっても思い通りの絵を描きづらくなり、SNSに流れる絵や絵で食っている人を見ると後ろめたさを感じた。
それでも「自分の力で食いたい」という思いは捨てきれなかった。現実は厳しく、仕事や就職活動の枷(かせ)となる自閉症スペクトラムと、軽度で生まれつき言語の遅れの影響による障がいを持っているからという理由で諦めた。
2022年の春。個人系VTuberが結構増えていた頃、知人が「セルフ受肉」して活動していると触発され、挑戦してみようと考えた。
しかし、口下手で受け身寄り、思ったことしか会話できないし、絵を描くのが下手だからモデルが作れない、動画配信できるようなスペックのパソコンを買うお金がないなど、いろいろな理由で諦めた。
諦めかけていた時にBlenderという3Dモデルのソフトを気分転換のつもりで作りました。TwitterのTL内で「VRoidで作ったモデルを使ってメタバースのClusterに入った」というツイートを見かけ、VRoidでやってみようと思いましたが、思い通りの絵か描けない理由でこれも断念。「Blenderで作った人体モデルを作ってClusterで動かそう」という理由でアバター作りのきっかけを作った。
2022年5月の終わりごろ。VRChatに興味があり、Amazonの電子書籍でまつゆうさんの「VRChatガイドブック-ゼロからはじめるメタバース」の本を読んでみた。ソーシャルVRの魅力が大変色濃く、「VRマシンを使って面白い事やってみようかな」という思いでVRChatとQuest2に手を出し始めた。
2022年6月1日にPCデスクトップでVRChatをやりはじめ、3日にQuest単機でVRデビュー。VRの世界に入った当初はモデリングで作って売っている人や、DJで活躍している人、インフルエンサー、音楽や動画などのクリエイターなど、雲の上にいるような凄い人ばかりだった。「このままソーシャルVRの活動を続けるのだろうか?」と必要以上に劣等感や不安を抱え込み、ストレスを感じてしまった。
2022年7月。メタバースカルチャーの雑誌「アバター」創刊に合わせ、ライターによるワークショップのイベントがあり、私はどんなものなのか気になって参加した。その中で「”本当のメタバース”の文化に関する記事や本が少ない」という話があった。「ライターの仕事だけじゃなく、ブログやツイッターなどでも良いから発信して欲しい」という切実な言葉に惹かれた。ライターになりたいと思ったが、軽度の言語の障がいのことが気かがりで仕事に支障をきたしてしまうのではないかという不安を感じ断念した。
それでもVRの方で仕事したり活動したいという思いが強かった。現実は厳しく、地方暮らし。地方でVRに関わる仕事は大変少ないのは事実。福祉で関わろうかと考えていたが、ソーシャルVRで関わるものがあまりなかったのが現状でした。
Quest単機とPCデスクトップだけしか活動できないし、薄給のためゲーミングパソコンが買えないから、どう活動すれば良いかと悩んでいた。諦めたままVRをやめて、その時間を現職のデザインの仕事の方をもくもくと勉強するほうがマシだと思っていた。
2022年8月、自分の思いつきで「VTuber」の代わりに「バーチャルブロガー」はいるのだろうか?と気になり、VRでやっているブロガーはいないのか調べた。しかし、技術系や情報系ばかりで、面白そうなものがないし、初心者やライトユーザーがとっつき難いじゃないかと不満を感じた。
過去にテキストブログをやった経験がある私は、「内容が似たようなものは書きたくないし、面白いブログを書きたい!」という思いはあった。「メタバースのこと知らない人に興味を持たせたり、初心者にもウケるような記事を書きたい」という思いで「バーチャルブロガー」になろうと決めた。
「バーチャルブロガー」になるんだったら何を書くんだろうか?とふと気がついた。ブログを書くネタが思いつかなかった。最初はVRの初心者やQuest単機・PCデスクトップユーザーのために有益なことを書こうという目的でした。「そんな情報系寄りなものはつまらない」とネタを断念。じゃあ、何を書けばいいんだ?
そんな時、勉強でライティングのコツの本を読んだ時に「好きなものを書こう!」とか、某やり手のブロガーの記事に「いいから何でも書け!」など書かれ、「本当に好きなものを何でも書く」ことはどうしたら良いかと迷走していた。好きなものと言ってもワールド探査と画像のひとり芝居しか考えられなかった。
2022年9月。ブログのコンセプトが定まっていないまま、私の誕生日で「10月21日にバーチャルブロガーになります」と宣言。しかし、どんな記事を書こうかと分からぬまま、ワールド紹介のことばかり記事をまとめても納得いかず。
ソーシャルVRの文化に関する情報系のサイト「メタカル最前線」の記事を読んだ時に閃いた。何気ない時ですが、「メタバースの住民」という記事のタイトルに魅力を感じていた。メタバースの住民として「現実の世界にいる人が日記を書いている」感覚で書けば面白いじゃないかと思い、「メタバースの住民のバーチャルブロガー」として決定づけた。
ブログは日記を書く感覚で「原点回帰」のスタイルで行こうと考え、ワールド探査の時に面白く感じたことを書いてみた。
2022年10月。開設するまでの間、なりたい私のブロガー像を捉えつつ、ワールドに行った時の様子や紹介、雑記など記事を溜め込んで書いたり、ブログのページを少しずつ組み込む。ブログの仕様で分からないところや、内容を試行錯誤。
この時期私が参加していた、私立VRC学園の授業で7月のイベントと似たような話が出た。「本来のメタバース(ソーシャルVR)に関する記事が少ない」という話に心を揺さぶられた。今もああいった記事が少ないのかと不思議に思った。その話を機に「メタバースの住民として面白い記事を書き、1ミリも知らない人のために発信しよう!」と決意した。
それだけじゃなく、これまで抱えていた「劣等感」を向き合うことを考え、大変見落としがちだった「目指すための目標」を考えることと、「なりたい自分」への構築も改める必要があった。
私立VRC学園は色んな知識を提供してくれるだけじゃなく、これまでの自分を見直して軌道修正するための場だと気がついた。「なりたい自分」のスタイルが近づけるようになってきた。
2022年10月21日、メタバース住民のバーチャルブロガーとして始動。
最初の時は頭が真っ白になり、ネタ切れそうな時にどう発信するのかのタイミングが分からないまま、文章を考える時間がかかりました。長文が苦手で文字数は少なめ、表現が乏しくなり、引き出しの少なさに痛感した。
10年前の時からアメブロのブロガーだった頃、ライティングの技術は今も全く皆無で、表現もわからず思ったことばかり文を書いていて、受けが良くないと気にしていた。
最近になってブロガーのスタイルがガラリと変わり、読み手を意識したところを気を取られ、思うように文が進まなくなって苦労した。
Tumblrでやっていた時は数字のことを気にしていないはずが、はてなブロガーになった地点で気にしてしまい、記事を書こうか更新しようかと焦りが出た。アメブロのブロガーの頃は毎日のように記事を書いたり、絵を描いてアップしていたが、今は毎日更新するような体力のなさに感じてしまいました。
ブロガーに復帰した後に大変なことが結構ありました。
将来はVRを通して食える人になりたいという夢はある。理由はリアルで30代半ばの年齢と精神障がいを持っているが、バーチャルなら年齢とか障がい、性別など関係なくても働く可能性があると夢のようなところに惹かれた。私のようなマイノリティの人でも働きたいと願っている。
甘えなのではないかと思われているが、世間中に知られてから2年近く、まだ発展途上なところ。VRに関わる仕事はまだ少ないし、まだまだ。じっくり時間をかければ間に合えるはずだろう。
日曜大工的なところがあり、自分で比較的自由に活動できるもの。DJや歌手、資格持ちの職業など元から持った人がその場で活躍したり、逆に持っていない人でもきっかけを見つけることもできる。アバターや役割などの「なりたい自分」として構築するものだと私は思ってます。
その世界に入ってから8ヶ月ほどですが、まだ文化やライフスタイルなど、私には知られていないことが山ほどある。触れ始めの人でも「この世界」で知らない部分が多く感じているだろう。これまで活動していた同人の時にも通ずるものであり、VRを通して初めての人や知らない人のために「伝聞」する目的で活動したい。
自分の確かな目で世界や文化などに触れ、ブログでつづるスタイルで発信したい。
夢を目指して少しずつ、コツコツと挑戦してみます。
長い文章ですが失礼しました。