
どうも、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ。
通話アプリの「POPOPO」が発表されてから、界隈の空気に一気にざわついたな。爆発的に議論が起きている一方、他の分野まで飛び火して、情報がスパゲッティみたいに絡み合っているんだよ。正直、頭の中が追いつかない人も多いんじゃないか?
発表会の雰囲気も独特だったな。どこかスティーブン・ジョブズのプレゼンを思い出すような、妙な熱量があったよ。
で、実際に触ってみたんだが、第一印象としては「とにかく面倒くささを削ぎ落としている」って感じだな。余計な制約が少なくて、直感的に使える。その分、VRを知らない人でも「ホロスーツ」というアバターを動かす体験がしやすいし、ストレスなく会話が楽しめる設計になっていると感じたぞ。
ただな、ホロスーツのあり方やビジネス面、ユーザー層について議論が巻き起こっているのも事実だ。こういう動きが出てくるあたり、今のネット社会が新しいムーブメントに敏感になっている証拠だろうな。
というわけで今回は、VRユーザーである私の視点から見た「POPOPO」の印象を、率直にレビューしてみたぞ。触ってみて感じたことを、そのまま伝えるぞ。
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コミュニケーションの気持ちよさを考慮したアプリ
POPOPOの発表動画でも語られていた通り、「会話する時の気持ちよさ」をかなり強く打ち出している印象である。では、なぜそこまで"気持ちよさ"にフォーカスしているのか。
一つの理由として、Zoomのようなビデオ通話アプリでは、生身の人間の視線にストレスを感じる人が一定数いる点が挙げられる。実際、メンタルクリニックや心療内科のカウンセリングでは、あえて目線を外して会話するケースもあり、相手の負担を減らす配慮として成立している。そう考えると、この設計思想には納得感がある。
POPOPOに関わる一人である西村博之氏も、普段の雑談動画で横を向きながら話すスタイルを取っており、視線の圧を避ける手法を自然に取り入れているのが分かる。このあたりも、思想としては地続きだろう。
個人的な体験でいえば、VRChatの「VR医療相談集会」や「メタバースキャリコン集会」に参加した際、アバター越しの会話は驚くほどストレスが少なく、リラックスして話せた記憶がある。生身で向き合うよりも、心理的ハードルがグッと下がる感覚だ。
POPOPOは「カメラのいらない通話アプリ」をコンセプトに、アバターを介した"擬似ビデオ通話"のような体験を提供している。顔出しを前提としないことで、会話そのものに集中できる環境を作り出しているわけだ。
つまり、生身の人間同士ではなく、アバターを通じてコミュニケーションすること自体が、心理的ストレスの軽減につながる。POPOPOはその点をしっかり押さえ、「気持ちよく話せる体験」に振り切って設計されたサービスだと言えそうだ。
発端はバーチャルキャストの反省点か?
テック系ニュースサイト「ITmedia News」の記事によると、VRMの開発者MIRO氏は、2018年当時、ドワンゴのVRサービス『バーチャルキャスト』のユーザー数が伸び悩んでいた際、「スマホ版を作ってほしい」という声が上がっていたと語っている。この時期はVTuberブームの真っ只中であり、現在のようにVRやメタバースが一般層に広がる前夜ともいえるタイミングだった。
また、POPOPOの取締役である川上氏は当時、「VRゴーグルを使ってアバターになる、いわゆる"バ美肉"は一般層には広がらない」と考えていたという。理由はシンプルで、VR機器のハードルの高さと、アバターになるまでの導線がわかりづらいこと、そしてプラットフォーム自体の自由度が高すぎるがゆえに、初心者が迷いやすい点があったからだ。
では、「一般ユーザーにとってのVRとは何か」。その答えとして行き着いたのが"スマホ"である。誰もが日常的に使っているデバイスを起点に、もっとライトにアバター体験を提供できないかーーその発想から生まれたのが、アバター通話アプリPOPOPOというわけだ。
言ってしまえば、「誰でも気軽にアバターになれる通話体験」を目指した設計であり、その方向性は非常に分かりやすい。『サマーウォーズ』に登場する仮想空間「OZ」のような、"一億総アバター時代"に一歩近づいたとも言えるだろう。
重たい機材も難しい操作もいらない。スマホ一つでアバターとして会話できるーーPOPOPOは、そうした"ちょうどいい仮装体験"を狙ったプロダクトだと見るべきだ。
引用元記事
ホロスーツ(アバター)の認識との価値のギャップ問題
POPOPOで注目されている要素のひとつが、「ホロスーツ」と呼ばれるアバターである。ラインナップは400種類以上にのぼり、オーソドックスな人型からケモノ、棒人間、さらにはモノ系まで、かなり幅広いバリエーションが用意されている。
ただし、その中でもギラつく太陽の棒人間やファンタジー系のキャラクターなど、一部のホロスーツは高額帯に設定されており、この価格差に対して不満の声が上がっているのも事実だ。
では、なぜこうした価格設計になっているのか。その背景には、アバターの複雑さや描画・動作負荷といった技術的な要素が関係していると考えられる。派手な装飾やエフェクト、いわゆる"ピカピカ系"の表現は処理負担が大きく、その分コストに反映されているのだろう。
この構造、実はどこか懐かしい。2000年後半のガラゲー向けソシャゲで見かけるアバター設計とかなり似ている。当時も、豪華な装飾やファンタジー系アイテム、エフェクト付きのアバターは高額設定にされており、端末性能とのバランスを取る意味でも価格差が存在していた。
つまり、POPOPOのホロスーツは、単なる見た目の違いではなく、「負荷のバランス」を前提とした設計思想が透けて見える部分でもある。このあたりは、ニコニコ動画の黎明期やガラケー時代のソシャケ文化を通ってきた人にとっては馴染み深い感覚だろう。
一方で、そうした背景を知らないユーザーにとっては、価格差に納得しづらいのも無理はない。とはいえ、「誰でも使える軽さ」と「見た目の楽しさ」を両立させるための設計と考えれば、このホロスーツの価格体系にも一定の合理性があると言えそうだ。
別のVRにあって、POPOPOには何か足りない
POPOPOを実際に触ってみると、スマホ操作で会話するというシンプルな設計ゆえに、気軽さとストレスの少なさが際立っている。とにかく"軽い"。この一点においては、かなりよくできている印象だ。
一方で、VRChatやclusterといったVRSNSに慣れているユーザー視点でみると、「何かが足りない」と感じるのも正直なところである。その正体は、おそらく表現の自由度だ。自分の思い通りの姿になることと、身体を動かして感情を伝えることーーそうした"アバターを使った自己表現"の幅が抑えられている。
もっとも、POPOPO側もそれは織り込み済みのようだ。今後、VRMアバターのアップロード機能を実装予定とされているが、リリース地点では「アバターで会話する楽しさ」を優先するため、あえて後回しにしているという。場合によってはサブスクや有料機能として展開される可能性も示唆されている。
また、空間設計もかなり割り切っている。基本的には"部屋の中で人と会話する"ことに特化しており、自由に動き回ったり、大きなアクションをとったりといった要素は意図的に抑えられている印象だ。動きの自由度が高いほど、相手にとってはノイズや不快感になるケースもあるため、そのあたりをバッサリ削ぎ落としているのだろう。
結果として、アバター表現をあえて制限することで、「画面の中の自分が動いているだけで楽しい」という、初期体験のハードルをグッと下げている。言ってしまえば、"VR的な体験の人り口"にかなり最適化された設計である。
自由度を削る代わりに、誰でも迷わず使える快適さを取る。POPOPOはそのバランスを、かなり割り切ってチューニングしてきたアプリだと言えそうだ。
最後にレビュー
今回は、VRSNS経験者である私の視点から、POPOPOの印象をレビューしてみた。
幅広いユーザーにVRの魅力を理解してもらうには、「誰でも使えるスマホ対応の手軽さ」と「心理的・操作的ストレスを極力減らす設計」が重要になってくる。その意味でPOPOPOは"みんなが思い描く理想のVR像"に対して、かなり現実的なアプローチを取っているプロダクトだと感じた。
振り返ってみると、かつてのGREEやアメーバピグといった「画面の中のアバター文化」と、POPOPOのスタンスはどこか通じるものがある。重たい機材や複雑な操作ではなく、気軽にログインして繋がる。その延長線上にあるのが、今回のPOPOPOだろう。
言ってしまえば、「インターネット老人会」が積み上げてきた文化の延長であり、"AI時代を前に人間が作る最後のSNS"というコンセプトにも妙な説得力がある。
最先端でありながら、どこか懐かしい。POPOPOは、そんな不思議な立ち位置にあるサービスだと言えそうだ。
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