
どうも、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ。
10月27日から11月9日まで開催された「VR読書週間2025」が無事に終わったぞ。
期間中はいろんなイベントを巡ってきたけど、どれも魅力あって、まさに"読書の秋"にふさわしい内容ばかりだったな。
本を読むことだけが読書じゃない。語る人がいて、聞く人がいて、そこに世界が生まれる。それを感じさせてくれたイベントだったよ。
今回は「VR読書週間2025」期間中に開催されたイベントのレポートをまとめて紹介するぞ!
言ノ葉ラジオ特別編
毎週火曜22時に放送されている「言ノ葉ラジオ」。今回はVR読書週間の特別版として、VRChatで活躍しているゲストを迎えた回である。
第224回目のゲストは、VRChatの日常を題材にしたエッセイ漫画で知られる虹走(にじばしり)さん(@nijibashiri)。ネズミのキャラクターが登場する漫画が特徴で、奥さんとの日常やゲームを通じた出来事をSNSで毎日更新している。

番組では、VRを始めたきっかけや初めての体験話、VRを通じて生まれた出会いなどが語られた。30分ほどのトークの中で、「VRChatが人生の転機になった」と感じる瞬間や、VRを"居場所"とするようになった経緯が印象的だった。さらに、奥さんとの関係やや、VRを勧める際の葛藤など、リアルなエピソードも語られた。
終盤のコーナー「きっとあなたの140字」では、お題が「ゲーム」にちなんだトークが展開。ゲームでの体験談から日常の一幕まで、さまざまな視点で語られ、笑いと共感に包まれた放送となった。
第224回言ノ葉ラジオはいかがでしたか?
— 「FM言ノ葉」VRChatのみんなで作るラジオチャンネル (@KotonohaFm) 2025年10月28日
新聞は更新済みです!
来週は「きっとあなたの1400字」作品紹介放送ですので、140字はお休みです! pic.twitter.com/YL2jiFVwQT
Kのワールド巡り×絵本の平行世界〜parallel color〜
毎週火曜深夜24時に放送される、「Kのワールド巡り」。今回は特別回として「絵本の平行世界」とコラボし、主催いちやさん(@Atelier_atomori)がゲスト登場である。
イベントの内容や絵本の魅力について、思い出の写真と交えつつ約15分のトークで盛り上がった。読書習慣に合わせた告知も行われ、視聴者に向けて参加の呼びかけがなされた。
「Kのワールド巡り」ではトークに留まらず、ゲスト推薦のワールドの紹介。とりわけ、「絵本の平行世界」2周年を記念して制作されたワールドの裏話が語られ、さまざまなこだわりが明かされたのが印象的である。
短尺ながら情報密度が高く、絵本的世界観の楽しみ方を再発見できる回となった。
もーっと!おもしろラジオ特別回
毎週木曜21時30分に放送されている「もーっと!おもしろラジオ」は、現実とVRの両方に存在する"面白いこと"を発見するトーク系ラジオ番組である。
今回はVR読書週間の特別企画として、「架空本クイズ」を実施。ゲストとともに、本のタイトルと概要が4つ提示され、その中から存在しない「架空の本」を当てるユニークな内容であった。
クイズには、「それっぽい」タイトルの本や、実際に存在しそうな似たタイトルの作品、SF小説のタイトルとあらすじ、異世界モノの長文タイトル、さらには大谷翔平に関する本まで登場。聞いているだけでも想像をくすぐられるラインナップだった。
番組全体を通して、本好きにもエンタメ好きにも楽しめる"知的遊び"の企画として、VR読書週間らしい内容になっていた。
言の葉堂イベント「秋の朗読会」
朗読イベント「秋の朗読会」は、言の葉店員の降谷椎さんが司会進行を務めるシンプルな構成のイベントである。演者たちがそれぞれ選んだ作品を朗読し、秋の夜にぴったりな文学のひとときを届けた。

一人目は松葉シノさん。朗読したのは、石川県金沢市出身の小説家・室生犀星(むろう さいせい)の『ゆめの話』。加賀百万石の武士町を舞台にした幻想的な物語である。

二人目は雛宮さん。 朗読作品は自作小説の『灯とジンジャーエール』。作者自身の体験を元にした自叙的小説であり、主催しているバーイベントでの出来事を通して人との繋がりを描いた内容だ。リアリティのある語りが印象に残る。

三人目はThe Goldさん。 朗読したのは、降谷凪さんによる創作小説『ジャックオーランタンのいたずらな夢』。タイトルの通りハロウィン前夜にふさわしい一篇で、幻想とユーモアが交差する不思議な物語であった。
青空文庫の名作だけでなく、自作・一次創作を交えた多彩な作品が披露され、演者たちの表現への挑戦が光る内容となった。
まさに、創作の秋を象徴する朗読会であったといえる。
絵本の平行世界
21時50分から不定期で開催されているイベント「絵本の平行世界」は、4人の語り部(かたりべ)が絵本の朗読し、その魅力を伝える朗読イベントである。
11月1日の公演では、nekoyuunさん、くるりおうかさん、つなつなさん、アバドさんの4名が語り部として登場し、それぞれの個性豊かな声で物語を届けた。
初めて参加した際の印象として、どの語り部も声の表現力が高く、まるで絵本の世界に引き込まれるような感覚を覚えた。内容も子どもから大人まで楽しめる構成で、特に"声"そのものに魅力を感じる人にはたまらないイベントだと感じた。
静かに物語の世界へひたる時間ーー「絵本の平行世界」は、聴覚で味わう新しい読書体験を提供しているといえる。
セイオワプラネタリム 星空案内&物語朗読
毎週火曜または水曜22時に開催されている、VRアイドルグループ「SEISO NO OWARI(セイソノオワリ)」(@NoSeiso)のメンバ・でるふさん(@VRC02934813)主催のイベントである。
使用されているのは、Quest・Android単体でも鑑賞可能なプラネタリウムワールド「Cat's Planetarium」。このワールドを舞台に、星空案内と朗読会が披露されるという構成だ。

今回の星空案内のパートでは、ペガスス座やアンドロメダ座など、秋の星空をテーマに星の位置や神話、歴史的背景について詳しく解説。まるで、本物のプラネタリウムにいるような没入感が味わえた。

朗読のパートでは、セイオワメンバーの紅鶴るいさん・にこうどんさん・Richukoさんの三人が海野十三の『遊星植民説』を朗読。ロケットやテレビジョンなど、当時としては先進的なキーワードが登場し、「宇宙で新生活を送る」というテーマは、1932年発表当時のSF小説としては極めて珍しい内容だ。
朗読の後には、Richukoさんによる楽器演奏が披露され、星空に包まれたインスタンスないは一気に幻想的な空気に。
星空案内、朗読、そして演奏が一体となった構成で、まるで一夜限りの宇宙旅行をしているかのような気分に浸れた。
星空と物語と音楽が交差するーーそんなロマンティックなひとときを、VRの中で静かに味わえるイベントである。
毛玉「読書」びより

本屋のワールド「言ノ葉堂」が、ケモノ系カフェイベント「けだまびより」(@FluffysCafeVR)と読書週間に合わせたコラボレーションを実施した。
「けだまびより」は毎週木曜22時に開催される、ケモノたちが集うお店イベントである。店員も来店者もケモノアバターのユーザーが多く。ふわふわとした癒し空間が特徴だ。
とはいえ、ドレスコートは関係なく、人間やロボなど、どんなアバターでも気軽に参加できるのが魅力でもある。

もともと「けだまびより」はカフェスタイルのイベントであるため、「言ノ葉堂」の持つ落ち着いたカフェスペースとの相性が抜群だ。「けだまびより」の店員がカウンターでコーヒーを振る舞い、訪れた人々と雑談を楽しむ光景もみられた。
本を手に取りながら語り合い、もふもふとしたケモノたちと交流する。まさに、読書とケモノが融合した異色のコラボイベントであり、両ワールドの魅力を最大限に引き出した企画だったといえる。
絵本の平行世界(復活ハロウィン回)
VR読書週間の最終日である11月9日は、「絵本の平行世界」の開催日だった。
本来は10月31日に予定されていたが、VRChatの大規模障害の影響でイベント進行が困難となり、最終日の11月9日に延期された。いわば"ハロウィンの延期公演"という形での開催である。
そのため、会場にはハロウィン仕様で、そのために改変したアバターで来場する参加者や演者の姿も多く見られ、幻想的で少し不思議な雰囲気が広がっていた。
今回の朗読会では、せびる。さん、おうまさん、日辻柚葉さん、ショウガ3さんの4人の語り部が登場。それぞれが異なる物語を語り、声の表現で観客を絵本の世界へと引き込んだ。
最後に
11月9日、「VR読書週間2025」の全イベントが無事に終了した。
VR空間で読書の魅力に触れられる、まさに"本と向き合う新しいかたち"を体験できる素晴らしい企画であった。
特に朗読イベントで紹介された作品はどれも個性にあふれ、演者たちの表現力と相まって、文字の世界に深く引き込まれる時間となった。
主催、スタッフ、演者さん、そして参加者のみなさま、本当にお疲れ様でした!
VRの中で本を"読む"だけでなく、"感じる"時間を共有できたことが、このイベントの最大の魅力だったといえる。