
どうも、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ。
12月の風物詩といえば、クリスマスと大晦日。どちらも賑やかになって、「年末だなあ」と実感する行事だよな。だが、VRChatにはそれらとは一線を画す、もっとエキサイトな12月の風物詩が存在するのを知っているか?
そう、ボストン茶会事件だ。世界史の授業で聞いた人もいるだろう。
簡単に説明すると、アメリカがまだイギリスの植民地だった頃、イギリスが「関税なしでお茶を売る法律」を作ったことに対する抗議として、アメリカ側が船で積まれていた大量の茶箱を全部海に投げ捨てた事件だ。この出来事が、後のアメリカ独立へとつながる大きなきっかけになったんだよな。
・・・と、ここまで聞いて、「どこが12月の風物詩なんだ?」と困惑している人もいるだろう。私も最初はそう思ったぞ。だがな、VRChatにおけるボストン茶会事件は、歴史再現というより、お祭りなんだ。参加者が一斉に茶箱をたくさん投げ捨てるところがストレス発散になるんだ。
というわけで今回は、VRChatの謎の企業ーー幻会興業による「ボストン茶会事件」の様子をレポートしていくぞ。
そもそも「幻会興業って何者だ?」と思っている人もいるだろうが、VRChatの楽しみ方を支えてくれるユニークな企業なんだぞ!
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ボストン茶会事件とは?

むかしむかし、アメリカがまだイギリスの植民地だった頃、イギリスからお茶を輸入する際には税金が課せられていた。
1773年5月10日、イギリス議会は関税なしでお茶を販売できる法律「茶法(Tea Act)」を制定。しかしこれに対し、アメリカ側は「これは不公平だ!」と強く反発することになる。
同年12月16日、抗議行動として立ち上がったのが「自由の息子たち(サンズ・オブ・リバティ)」だ。彼らはインディアンの扮し、ボストン港に停泊していた東インド会社の船を侵入。わずか3時間ほどで、積み荷の茶箱342箱すべてを海へ投げ捨てた。
この出来事は、後に起こるアメリカ独立戦争の大きなきっかけとなった歴史的事件である。
今日、集まってくれたみんなに、伝えなければいけないことがある。残念なニュースだ。
知っての通り、我々は本圀議会から多くの不当な税金を課せられてきた。
そして我々は、それらすべてに抗議し、撤回させてきた。
代表なくして課税なしだと。
そして今回も、東インド会社による紅茶の独占販売について、「税金に等しい」として抗議を行ってきたところである。
ところが、紅茶を詰んだ船はすでに、この港に到着している。
我々は、総督に対し、船を追い返すよう、求めてきた。
しかし先ほど、我々の要求が却下されたとの、知らせが入った。
明日には、紅茶の積み下ろしがはじまるであろう。
この集会で、この地を救うためにできることは、これ以上何も無い。
それとも泣き寝入り以外に、我々にできることは、あるだろうか?
(ボストンの港をティーポットに!)
よろしい。今宵、国王陛下のために、ティーパーティーを開催しよう。
ボストンの港をティーポットに!すすめ!
いとよさんによる演説の原稿(2023年12月、原文ママ)
ボストン茶会事件についてはこちら。
再現ワールド「BostonTeaParty」


VR空間上で「ボストン茶会事件」を忠実に再現した体験型ワールド。制作はいとよさん(@itoyo_monk)が手がけ、2022年12月に公開した。
操作はシンプルで投げ捨てるだけ。すべての茶箱を投げ終わると、海は見事に紅茶色へと染まる仕組みになっている。
誰でも気軽に体験可能でき、ストレス発散にもぴったりな内容だ。プレイ動画や商業Webメディアの記事が大バズり、公開当時は話題性の高いワールドとして一躍注目を集めた。
このワールドは、箱の物理エンジンと位置同期を342箱分実装しているため、PC対応のワールドとなっている。PCデスクトップ環境でも最低限楽しめるが、PCVRで体験すると没入感が一段と増し、より爽快に楽しめるだろう。
ワールドURL
https://vrchat.com/home/world/wrld_f2a22dfc-ac50-4608-89d7-c8e3e9e619c3/info
謎の企業・「無限会社 幻会興業」とは?

2022年1月19日創立。「VRChatを楽しむ、楽しませる。」を企業理念に掲げ、VRChatの楽しみ方をサポートする企業コンセプトのコミュニティ団体である。利害関係者の価値と利益を最大化し、VRChat界隈の発展に貢献できる存在を目指して活動している。名前が「無限会社」であることからも分かるように、無限の可能性を秘めたポテンシャルの高い団体だ。
同団体は「楽しいと思える環境」を「価値」、「VRChatを楽しめる事」を「利益」を定義し、社会へ価値を提供しながら利益を生み出し、それを追求する形で活動を続けている。
一見すると"企業"という肩書きから堅い印象を受けがちだが、実際には初心者でも気軽に参加できるワールド巡りイベントや、不定期イベントなども実施している。VRChatの楽しみ方をカジュアルに広めている点が特徴だ。
さらに、他団体へのシステム提供やノウハウ提供も行っており、裏方としてもVRChat界隈をしっかり支えている存在だと言えるだろう。
イベントレポート

2023年12月17日、21時。私が仮想のボストン港に降り立つと、次第に人が集まり始め、あたりはどんどん賑やかになっていった。よく見ると、幻会興業の社員や参加者の多くがインディアン風の被り物を身につけている。雰囲気は歴史的事件の追体験というよりも、もはや熱狂的なお祭りそのものだ。
参加者が一通り集まったところで、インスタンス分けのためにポータルが展開され、半数ほどの参加者がそちらへ流れていった。大人数イベントならではの光景である。

しばらくすると、幻会興業のせんそーさんによる演説が始まった。やや慣れない様子ながらも、ヤジを飛ばしてOKというサインを示す小道具を使い、参加者の怒号(もちろん演技だ)が飛び交う。これがいい感じに場を温め、会場の一体感が一気に高まっていった。
そして、「ボストンの港をティーポットに!」と全員で声を張り上げる。せんそーさんの「ボストンの港をティーポットに!すすめ!」と威勢のいい号令を合図に、参加者は一斉に港へとなだれ込んだ。

船に積まれていた正方形の茶箱を、次から次へと海へ投げ捨てていく。不満をぶつけるロールプレイをしながら、20人かがりで茶箱を投げ捨てる様子はなかなか壮観だ。時間が経つにつれ、積まれていた茶箱はみるみる減っていった。

すべての茶箱を投げ終えた瞬間、海が紅茶色に染まり、ボストン港は見事"ティーポット"へと変貌した。歴史的勝利(?)の瞬間をしっかりと目に焼き付け、記録に刻み込む。

ひと仕事終えたところで、至福のコーヒーブレイクタイムだ。私はあらかじめ用意していたドリップコーヒーを飲み、しっかりリフレッシュした。
一見すると歴史的事件の再現ではあるが、実態は完全に熱狂型のお祭りイベントであり、最高のストレス発散だと言える。よく考えてみると、2023年の道頓堀の飛び込みイベントとも似て非なる部分がある。その共通点は「大勢で集まり、勢いで盛り上がる」という点だろう。
幻会興業との協力によって、VRChatならではの楽しみ方を共有できたのは大きな収穫だった。ワールド巡りに限らず、このイベントのように"別の視点"から体験を作るのも十分アリだと感じさせられる内容だった。
最後に
今回は幻会興業によるボストンティーパーティーのレポートを紹介した。
歴史的事件を再現した体験型ワールドでありながら、実際の体験は茶箱を次々と海へ投げ捨てるというシンプルかつ爽快な内容で、ストレス発散にもつながる。大勢の人と集まり、わいわいと盛り上がる様子は、まさにちょっとしたお祭りのようだ。
幻会興業の活動はワールド巡りのイベントがメインではあるが、VRChat全体を盛り上げる団体でもあり、今回のボストンティーパーティーのように"別の視点"からの楽しみ方も提示してくれる点が魅力である。VRChatを始めたばかりの人にも、自信を持っておすすめできる団体だ。
無限会社 幻会興業
公式Webサイト
https://www.genkaikogyo-ultd.com/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
公式X(Twitter)アカウント
VRCグループURL(イベント参加用グループ)
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