どうも、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ。
正月早々、すごいイベントがあると聞いて、私は今年初めての取材(※この時は1月2日)に行ってきました。そのイベントとは、VRChatでの本格的な新春初祈願の体験です!
VRChatといったメタバース(バーチャル)空間での新春初祈願は、千年以上の歴史がある日本古来の修験者・現役山伏が祝詞(のりと)の奏上をするイベントだ。内容は、VRChatユーザーの健康と家内安全の祈願、そしてお砂糖といったバーチャルパートナーの良縁・恋愛成就の祈願を神様に言葉で伝えるものです。
この祝詞でバーチャル空間で行うイベントは、神社に行くのが難しい人や、人混みが苦手な人でも同じような体験ができます。
2024年元旦に発生した石川県能登地方を中心に北陸地方の大地震や、イベント直前の日(※取材当時は1月2日)に発生した羽田空港でのJAL旅客機と海保機の衝突事故など、ショッキングな出来事が相次ぐなかで、バーチャルでの初詣が北陸地方の復興を願うためのイベントとなりました。
そこで今回は、VRChatでの新春初祈願イベントと、その主役であるリアル山伏・きりおさんについて紹介します。
イベント会場に着きました
イベントの会場に到着したぞ。VRで祈願を受けに来るユーザーが集まってきているな。お砂糖祈願はやっぱり注目されているのは間違いないだろう。
新春初祈願のイベントは、日本語話者のユーザー向けの「FUJIYAMA(フジヤマ)」のグループインスタンス内で行われているんだ。
日本語話者向け集会場FUJIYAMAのワールド内の写真
FUJIYAMAとは、日本人だけではなく日本語が話せる人を対象にした集会場ワールド。パブリックインスタンスでも使えるようになっていて、日本人や日本語が話せる人が交流するのに便利な場所だ。
ワールド内にはペンや区別できるタグマーカー、アバターのペデスタル(試着ポイント)などが完備され、使いやすくなっているんだ。
通常のFUJIYAMAと異なり、このワールドは祝詞を行うために特別に作られたもの。ちはやさん(@chihaya_369)とのりたまさん(@noritama_vrc)の協力で、急ピッチでワールドとギミックが作り上げられた。なぜこのイベントが開催されることになったのか、そしてこのワールドがどれくらいの期間で完成したのか、その詳細については後ほど説明しよう。
現役のプロ山伏・きりおさん
新春初祈願の祝詞を奏でる、リアル山伏のきりおさん(@kirio0625)。千年以上も続く日本の伝統である修験者・山伏としてリアルでの活動を経て、その経験をメタバースでも生かすべく、VRChatやclusterのソーシャルVRで活躍している。
昨年はclusterで本格的な祭りと音楽の融合した「MATSURI」というイベントを主催していた。
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近頃、きりおさんはソーシャルVRの中で知られたパフォーマンス集団・カソウ舞踏団の新年の催しにもゲストとして参加し、祝詞を捧げる瞬間は重要な節目のひとつとして捉えている。山伏の経験がバーチャル空間でも有効に活かされているんだ。
新春初祈願イベント!祝詞の奏上
イベントが始まり、きりおさんが富士山の方に向かって鈴の音を奏で始めました。きりおさんの鈴の音色がVRヘッドセットの耳元まで響いてくるようで、心地よい響きに包まれました。
きりおさんが祝詞を奏上する中、FUJIYAMAの空間に設けられたギミックが白い霧のようなモヤを演出し。まるで瞑想しているかのように頭の中がクリアになる様子が可視化されていました。
健康と家内安全、そして恋愛成就と良縁に対する祝詞が奏上され、イベントは無事に終了しました。途中で動作が重く感じるユーザーや、何者かによるキック通知に驚くユーザーもいましたが、大きな問題はなく、順調に進行しました。
このイベントを立ち上げた経緯
このイベントを主催したちはやさんは、FUJIYAMAのワールドや、各種マッチングワールド、アバター改変を教え合う集会、VRChat上で瞑想を行うイベントなど、多数のインフラを運営している多彩な方です。
なぜこのイベントを開催することになったか、ちはやさんときりおさんの話によれば、イベントの日(1月2日)の前日の夜11時ごろに急遽決まったそうです。
イベントを企画した当初は、人混みが苦手な方やコロナ禍の中で神社に行けない人のために、VRChat内で初詣するアイデアがありました。また、イベント前日に発生した能登半島の震災を受け、復興も兼ねて祈願することを決めました。
これはまさに「言い出しっぺ」の法則。普段は気軽な一言が、大きなイベントの企画となり、実行に移されるという素晴らしいものです。イベントの企画は前日に立ち上がり、人々の偶然が合致して、短期間で素晴らしいイベントが実現しました。
イベントの開催が決まると、二人は協力してインスタンスの収容人数や動作負担などを考慮し、たった1日足らずでイベント用のワールドを作り上げました。このスピード感、それが素晴らしいイベントの実現につながったのです。
コミュニティにおいては、人との繋がりが新たな可能性を生み出すことがあります。立ち上げたイベントは、人や環境、スキルなどの条件が揃うと何か新しいことが生まれる不思議な体験となりました。
最後に感想
以前、clusterで「MATSURI」の前日リハーサルできりおさんの祝詞を受けたことがあります。ご真言で身も心も軽くなったという声もあり、人によって気持ちは単純だと感じました。
VRというバーチャル・メタバース空間で神社と同じような体験を無料で行えると疑念を抱いていますが、実際は無償で提供されるものではありません。ただ、規約上法人外で金銭が発生しないVR空間で祝詞を上げることはこれまで珍しい例です。
日本中で大変な出来事があった前日、話をしてからたった1日近くでイベントを立ち上げ、ワールドとギミックを作り上げることに驚きました。突発的に行われたこととイベントの斬新さが印象的でした。
イベントに参加した人たちの中では好評で、大切な節目の時にも行われると良いですね。
きりお山伏V
千年以上も続く日本古来の修験者・山伏としてリアルでの経験をソーシャルVRで活かし、山伏についてVR世界で伝聞したり、さまざまなイベントを主催して活動している。
forio(イベントの実績等)
https://www.foriio.com/kirio0625
Mosh(バーチャル加持祈祷サービス)
バーチャルでの御祈願・おはらい等の個人的な依頼はこちら。
https://mosh.jp/services/140606
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