やあ、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ。
「VRChatここから始めました」というワールドにいるんだ。
ここではVRChatと日本人コミュニティーが築いた歴史がしっかりとまとめられています。いわゆる、VR世界の歴史資料館なんだ。
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右手にあるものは日本人コミュニティで気づいたVR世界にある「遺産」が展示されています。
こちらに展示されているものは「かつて使われていたキムチラーメン」です。薄緑色の器の中には真っ赤なキムチラーメンの食品サンプル(?)。結構美味しそうですね。
これは2023年6月30日までに閉鎖された「Quest日本集会所」にあったキムチラーメンを食品サンプルで再現されたそうです。
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こちらは「かつて未来に灯りを灯したもの」という、前方後円墳と青い蝶のオブジェクトが展示しています。
これは2023年3月31日に活動終了したVTuberミライアカリのために「カタチ」として遺したものです。
ミライアカリはVTuber文化の黎明期(2017年あたり)の時にVRChatを利用した配信がありました。彼女はバーチャルでの配信を通してVRChatで歴史を残した人物です。
このとき撮影した日は2023年7月21日。この日は何の日なのか言いますと、ミライアカリが活動時に夢見ていた「ミライアカリフェス」の日だそうです。しかし、夢は叶わぬまま活動終了してしまいました。それがミライアカリの「お願い」のひとつです。多くのファンはミライアカリを信じてフェスを行うのを夢を見ていました。
なぜミライアカリに前方後円墳を作ったのか、それは彼女からの「もうひとつのお願い」であり、VRChatの世界でミライアカリといつも会えるような場を作りたいという目的で古墳を作ることです。
活動終了すると彼女がいなくなる、バーチャルの存在が死に近い印象を思われるのではないかという不安はあります。ただ、彼女の言葉は「アカリは消えません。バーチャルだからね!」と言ったので、彼女の復活と「ミライアカリフェス」を行うことを信じるファンが多くいるでしょう。
参考記事はこちら。
このワールドのオブジェクトだけでなく、ミライアカリの古墳・お墓がいくつかあります。それについてまとめられた、バーチャルライターの浅田カズラさんの記事の情報を読んでみると、Quest単騎でもミライアカリの古墳に行けるワールドがあると情報をキャッチした。
私は「long-potato ville」というワールドを行くことに。
この記事でまとめられています。
バスに乗り継ぎ、「未仁胡(みじんこ)」のバス停降りて着きました。ここは「長芋村(ながいもむら)」のこと「long-potato ville」です。・・・そのまんまですね。
どう見ても絵に描いたような、ポツンと一軒家があるような小さな集落だ。どこかで見かける畑や水田、虫や動物が住まう自然。これといった施設が何もない、辺鄙なところでミライアカリの古墳があるらしい。
私が小学生の頃、小さな古墳を見学しに行ったことを思い出したな。まさかバーチャルの世界にも古墳が見られるとは新鮮なものでしょう。
道を進んでみると、そこには一軒家だ。ここはこの村に訪れた人たちとお話しできる場所。テレビで見かけるポツンと一軒家みたいだね。
ポツンと一軒家の中には、ツイッターで見たことがあるロボットと遭遇。
これはVRChat日本語公式の画像ツイートで見かける、狐のような耳がついたロボットだ。こんなところにいるとは驚いた。
畑の周辺を進むと、そこには草がぼうぼうと覆われた小さな古墳が発見。
これがミライアカリの古墳だ。右には「仮想文化遺産ミライアカリの墓」と書かれています。確かにバーチャルの文化を築いたのは大体合っている。
VR世界は自由にワールドを作って管理するものだから、お墓を作ったり神社を建立したりなど何でもありの世界。
ミライアカリのために、バーチャルの世界のファンによって作られたオブジェクトは非常に興味深いものでした。私はミライアカリやキズナアイなどVTuber黎明期については触れてはいない方ですが、バーチャル世界の「歴史」となる部分は語り継がれるものだと思います。
バーチャルの世界は日に日にアップデートし、価値観や考え方、定義など大きく変えてゆく時代、時には失われることもあります。「VRChatここから始めました」のワールドのように、歴史を残す場所として。
ワールド情報
long-potato ville(Quest対応)
「長芋村」という、現実世界の日本でよく見かけるような田舎村のワールド。自然あふれるぼのぼのとしたスローライフ気分で楽しめる。近年、バーチャル世界で貢献したとあるVTuberの古墳ができた。